【ピアニスト】

2006年3月21日 映画
普通のピアニストのラブストーリーかと思いきや、大きく期待を裏切られた。(良くも、悪くも。)切なさなんてまるでないが、エリカの歪んだ愛情表現と性癖に、心が痛くなる。それでも最後は、正常な恋愛になって、ハッピーエンドで締めくくるはずと信じて観てたが、これまた裏切られる。

エリカの異常性や変質性は、母親の過干渉と抑圧のせいなのだろうが、クレメールと出会ったことで、心の中の毒を吐き出すことができたんだと思う。観ていて痛々しいが。

そんなエリカの病的な行動をクレメールは受け入れることは出来なかったけど(←当たり前だろうが。)エリカにとっては、その後の人生を大きく変える出会いだったんだと思う。

最後に肩を刺したのは、ネットで発見したんだけど、指を動かす筋があの辺にあるらしく、ってことは、エリカはあの瞬間、自分を縛り付けてきたピアノと母親からやっと解放されたのかもしれない。

イザベル・ユペールという女優を全く知らなかったが、彼女の演技力には圧巻だ。無音で終わるラストが印象的。

でも、多分、育った環境であそこまで歪んだ人格を治すのは何年も治療しなきゃいけないんだろうなぁって、どうしてもそういう視点でみてしまう。

母親も大事な娘だからこそ、干渉し過ぎてしまい、その結果、結局娘は押し潰されて歪んでしまう。愛情の表現は難しいなと思う。

ピアニスト@映画生活

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